格安SIMを申し込む上で注意しなければいけない事柄があります。それはアンテナピクト問題・セルスタンバイ問題です。
これらの問題一言で言ってしまうと「バッテリーの消費が激しくなる」問題なのですが、一体どういう原理でこうなってしまうのでしょうか?
2つの問題の関係性と結果として起こる現象をわかりやすくこの記事で解説していきます。
そして、最後に解決策も提示してあるので最後まで読んでみてください。
アンテナピクト問題、セルスタンバイ問題とは
前提として、スマートフォンの通信はデータ通信専用の帯域(PSドメイン←特に覚える必要はない)と音声通話専用の帯域(CSドメイン←特に覚える必要はない)に分けてて行われています。2つにわかれていることが理解できればOKです。
アンテナピクト問題について
スマートフォンというのは、一般的な家電であるパソコンやタブレットとは違って音声通話機能を持っています。そのため、SIMカードを挿入した状態で電源を入れていると、常に音声通話を出来るようにするために、音声通話帯域を探して自動でつなげようとします。
音声通話機能付きのSIMカードであれば全く問題ないことです。自動でつなげてくれるおかげで常に電話を着信したりかけたりできます。
しかし、データ通信のみの機能しかないSIMカードの場合、いくら探してつなげようとしても一向につなげることができません。それも当たり前のことです。そのSIMカードには音声通話機能が無いのですから。このようにスマートフォンの場合音声通話をしようとして帯域に繋げられないと、その後もずっと帯域を探しつなげようとします。そのため延々とリトライし続けることでバッテリーの消費が早くなってしまいます。
この時、アンテナピクトが立たずずっと「圏外」の表示が出てしまいます。それでもデータ通信の帯域には繋げられているのでネットやメール等データ通信帯域を利用するやりとりは利用できます。しかし表記は「圏外」のままです。これをアンテナピクト問題と言います。
セルスタンバイ問題について
アンテナピクト問題に陥ると同時に起こる現象がセルスタンバイ問題です。アンテナピクト問題に陥っている場合スマートフォンは自動的にセルスタンバイという状態にプロセスが移行してしまいます。
セルスタンバイ状態になるとスマートフォンのバッテリーの消費が普段より激しくなります。このようにセルスタンバイによるバッテリーがどんどん奪われていくことをセルスタンバイ問題と言います。
アンテナピクト問題に陥るとセルスタンバイ問題に陥ってしまう
まとめるとそういうことです。アンテナピクト問題に陥ると同時にセルスタンバイ問題に陥るのでダブルパンチでバッテリーが消耗が激しくなってしまうのです。
アンテナピクト問題が発生
↓
セルスタンバイ問題が発生
↓
バッテリーの消費が激しくなる
解決はSMS機能付きSIMカードがカギになる
この2つの問題は音声通話帯域を探してもそれに繋げられないデータ通信専用SIMカードの時にのみ起こる問題です。
したがって解決するには何かしらで音声通話帯域につなげることのできる機能を持っている必要があります。
SMSは音声通話帯域を利用してショートメッセージを送受信することができるシステムです。auでは「Cメール」、DoCoMoでは「ショートメール」などと呼ばれているメールはこれを利用しています。iPhoneの「メッセージ」アプリやAndroidの「ハングアウト」アプリなどもこのSMSの機能を使っています。
このためSMS機能があるSIMカードだと、スマートフォンが音声通話帯域につなげることが可能(SMSはあくまでショートメッセージ用で音声通話ができるようになるわけではない)になるため、アンテナピクト問題、セルスタンバイ問題が起きなくなります。
データ通信専用のSIMカードにSMS機能を付加できればこの問題は回避できるというわけです。
では、どうすればデータ通信専用のSIMカードにSMS機能を付加できるかというと、
格安SIMを購入するときにはどこの事業者であっても必ずSMS機能を付加するオプションがあります。なのでこのオプションを申しこめばいいのです。これで解決します。
だいたい、月120円ぐらいでできるオプションなので、データ通信専用のSIMカードを申し込む場合にはぜひつけることをおすすめします。
現にぴィすま管理人もOCN モバイル ONEで運用していますが、SMSオプションを申し込んでいます。
IIJmioの場合だけは特殊で、オプションではなくてプランそのものにSMS機能付きの物があるのでそれを申し込みましょう。
最後に、ここまで読めばわかっているとは思いますが一応言っておきますと、音声通話付きSIMカードの場合には音声通話帯域につなげることが出来るため(当然ですね)、そのままでこの問題は解決します。音声通話帯域に繋げられるため当然、ショートメッセージサービスを利用することも可能です。
まとめ
いかがでしょうか。SMS機能がないデータ通信専用のSIMカードだとこういう問題が起こる可能性があります。
もし格安SIMなどでデータ通信専用のSIMカードを購入する場合はSMS付きのオプションを同時に申し込むことをおすすめします。それによっていらぬ心配が減らせます。
また、ショートメッセージアプリが使えるようになったり、LINEのようにアプリなどのSMS認証にも使えたりするので、そういった意味でもあると便利です。